【Taboo】
僕たちは永遠にずっと一緒だって約束をしたし、それは今でも「守られている」し。
「だって同じ血を分けた兄弟じゃないか。」
「血を分ければ誰でも似るって言ってた。」
フラスコの小人だってそうじゃないか。
あれだってみんなみんな兄弟なんだから。あまり変わらないでしょう?
「前世だってきっとそうだよ。」
「焼いて丸焼きされたっけ。」
「違うよ、首に布を被せられて一緒にズドンだよ。」
僕たちはお互いの考えてることがすぐわかる。
だって生まれてからも生まれる前も同じだもの。
「呪い?」
「ありがたい呪い。」
ブードゥの魔術ではなく呪術を選んだ理由はそこにあるのかもしれない。
「ブードゥの禁忌をどうぞー」
1、家族を犠牲にしてはならない。
2、友達、仲間への礼儀を怠ってはならない。
3、ブードゥ教を穢してはならない。
4、他人に対して悪口を言ってはいけない。
5、家族を傷つけてはならない。
6、不倫をしてはならない。
7、土地関係で争ってはいけない。
「こんなこんな、守る価値もないお約束事なんて。」
「灰にして飲み込んじゃった。」
「お腹壊すよ?」
「大丈夫だよ。」
グリグリだって笑ってるんだから平気だよ。
あの子は笑わないよ。
今日は何処に針を刺してやろうか。
憎いあいつを殺すために心臓にでもしてあげる?
道に投げ捨てて争いを起こさせるのも楽しいなあ。
クスクスクスクスクスクス‥‥。
「僕らは愛し合っているし、これ以上の存在はないと思ってるよ。
「お父さんとお母さんを使ってよかった。」
「2人分の血が必要なんて聞いてないよ。」
「混ぜたら同じ血だよ?」
ねえねえ、裏切り者はどうしてあげよう。
僕らの呪術を知った人たち?
そうそう。
「ブードゥ教」にのっとって「ゾンビ」にしてあげようよ。
そうだね、それがいいかも。
ネクタールでもバイオハザード備えないと。
「わかってるよね。」
「わかってる。」
「僕は”罪”で。」
「僕は”救済”。」
あまりにも人間臭いこの世界で。
むさぼるように禁忌を犯す。
それだけが多分僕らの存在意義だと思うんだ。
「おやすみなさい。」
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